LabVIEWの特徴の1つはグラフィカルにデータを表示しながら処理を行うことができる点です。しかし、データを図示するために、どの関数を使うのが良いのか、入力するデータの型はどのようなものにするのかが、わからないという方もいるかもしれません。
このページではLabVIEWのXYグラフの使い方について説明します。
LabVIEWでデータを図示する方法としてXYグラフのほかに、波形チャートと波形グラフがあります。波形チャートと波形グラフについてはこちらの記事で紹介しています。
XYグラフを使ってできること
XYグラフは、2つのデータ列の関係をプロットすることができます。数学で扱うグラフと同じように、横軸にX、縦軸にYの値をとり、両者の関係を折れ線グラフにするイメージです。
よってグラフの作成にはX軸のデータ列と、Y軸のデータ列が必要です。データ列としては基本は配列とクラスタを用います。
X軸およびY軸のデータは、「0、1、2…」のような均等な間隔の数値である必要はありません。
「 1、3、1、-1、-4、4、…」 のように、均等でなくてもよいですし、同じ数値が含まれてもいいですし、途中で増えても減っても構いません。
Y軸のデータは、X軸のデータと一対一の対応を取ります。X軸のデータのn番目のデータに対応するY軸の値はY軸データのn番目に置くようにします。
よって、Y軸のデータ数はX軸のデータ数と同数である必要があります。
XYグラフの作り方
XYグラフの表示器は、次のようにして使うことができます。
フロントパネル上で右クリックし、「Graph」の上にカーソルを置くと、様々なグラフ表示器が表示されます。その中から「XY Graph」をクリックし、フロントパネル上の好きな場所で再度クリックするとXYグラフを配置することができます。
XYグラフは、任意の数の点を含むプロットを表示できます。
以下では、グラフ中に1つの折れ線をプロットする場合と、グラフ中に複数の折れ線をプロット場合について、XYグラフの作成方法を紹介します。
XYグラフに1つの折れ線を表示する方法
1つのXYグラフの中に1つの折れ線グラフをプロットする方法について説明します。単一プロットのXYグラフの作り方は大きく分けて3つあります。
- X軸のデータ配列とY軸のデータ配列を含むクラスターを使う
- あるX軸の値に対応するY軸の値の組み合わせをクラスターとし、その配列を使う
- 複素数データ配列を入力すると、実数部がx軸に、虚数部がy軸にプロットされる
1.X軸のデータ配列とY軸のデータ配列を含むクラスターを使う
次の例は、y = x2 を図示したものです。
Forループを用いて、X = [-10、-9、-8…8、9、10]の配列と、 Y = [100、81、64…64、81、100]の配列を作成しています。 その後、バンドル(Bundle)を用いて2つの配列をクラスターに変換します。このクラスターデータをXYグラフに入力しています。
イメージとしては以下のような形です。
入力データ = ( [-10、-9、-8…8、9、10] 、 [100、81、64…64、81、100] )
この場合、XYグラフ表示器のアイコンがピンク色になっています。図1に示すように、XYグラフを表示させたときは茶色ですが、ワイヤをつなぐと自動的に色が茶色から変わります。
2.あるX軸の値に対応するY軸の値の組み合わせをクラスターとし、その配列を使う
次の例も、y = x2 を図示したものですが、1とは異なる方法です。
Forループの中で、各データ点の(X, Y)の組み合わせのクラスターを作ります。それがForループを出るところでクラスターの配列となります。
イメージとしては以下のような形です。
入力データ = [(-10、100)、 (-9、81) 、 (-8、64) … (8、64) 、 (9、81) 、 (10、100) ] )
3.複素数データ配列
XYグラフへの入力データを複素数の配列とすると、データの実数部の配列をX軸、虚数部の配列をY軸にプロットすることができます。
次の例は、複素数の配列である[exp(0)、 exp(π/8 x i) 、 exp(π/4 x i ) …、 exp(7π/8 x i ) ]をプロットしたものです。
XYグラフに複数のプロットを表示する
1つのXYグラフの中に複数の折れ線グラフをプロットする方法について説明します。
複数のプロットを行う場合、各プロットに対する「X軸のデータ配列とY軸のデータ配列を含むクラスター 」を作成します。そして、それら複数のクラスターをBuild Arrayを用いて1つの配列にした後に、XYグラフに入力します。
次の例は、y = x2 と y = 2x の2つを1つのXYグラフに図示したものです。
グラフの外見を変える
グラフの見た目を変えることも可能です。
フロントパネルのXYグラフ表示器の上で右クリックすると、XYグラフの種々のプロパティを選ぶことができます。
ここから例えば以下のような見た目を変えることが可能です。
- プロット方法(折れ線のみ、点のみ、折れ線と点の組み合わせ など)
- 線や点の色
- 線の太さや種類(実線、破線、点線 など)
- 点の大きさ
- X軸の範囲、Y軸の範囲(初期値はオートスケールです)
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