このページではLabVIEWの配列(array)の使い方を紹介します。配列は複数のデータをグループ化したものです。複数のデータをまとめて扱うことでプログラムをよりシンプルに記述することができます。
配列とは
配列は同じ型のデータを複数並べたかたまりです。基本のデータ型5種類のいずれも配列にすることができます。しかし、異なる型のデータ同士を1つの配列にすることはできません。異なる型のデータをまとめて扱うにはクラスタを使います。
例えば、長整数の配列であれば、0, 1, 2, 3, …のような配列を作ることができます。ブーリアンの配列であれば、T, F, T, T, …というような配列を作ることができます。
データ型についてはこちらのページで詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
配列にも同様に制御器と表示器、そして定数が存在します。制御器と表示器はフロントパネルとブロックダイアグラムの両方に表示されますが、定数はブロックダイアグラムにのみ表示されます。
下の図1は、倍精度浮動小数点およびブーリアンの1次元配列の制御器、表示器、定数の例です。
ブロックダイアグラムのアイコンの色は、配列の中のデータの型によって決まります。
このプログラムを動作させると下記のような結果となります。ブロックダイアグラムで配列制御器(control)と配列情報をワイヤでつないでいるので、制御器内の値が表示器(indicator)に表示されます。
配列のサイズ、指数、次元
サイズ
配列には「サイズ(size)」の情報が含まれています。サイズは配列の中に何個のデータを含んでいるかということです。
指標(インデックス)
配列には「指数(インデックス、index)」情報が含まれています。指数は、配列内のあるデータが何番目のデータかという情報です。非常に重要な点は指数は0から始まり1ずつ増えていくことです。
図1の青枠で囲んだ場所のように配列の左上には数値が書かれています。この数値は、今表示している配列の一番上のデータの指標を示しています。
次元
配列には「次元(dimension)」という概念があります。データを1列に並べれば1次元配列になります。なお、フロントパネルで示したときにデータが縦に並んでいるか横に並んでいるかという情報は含まれていません(どちらも同じです)。
縦横にデータを並べれば、2次元配列になります。この場合は、「n 行 m 列」となりますので、「縦か横か」という情報が含まれます。さらに次元を増やして3次元、4次元とすることも可能です。
例えば、図1の倍精度浮動小数点の配列制御器は[1、-4、7]という配列です。この場合、含まれるデータ数は3つなので配列サイズは3です。指数0の要素が「1」、指数1の要素が「-4」、指数0の要素が「7」となります。またデータは1列に並んでいるだけなので「1次元」配列です。
配列の作り方
ここでは、倍精度浮動小数点の配列制御器を例にして、配列を作る具体的な方法を紹介します。
配列を作る
フロントパネル上で右クリックし、Data Containdersから「Array」をクリックします。
配列を置きたいフロントパネルの場所でクリックすると、空の配列ができます。上で説明したように、配列アイコンの色は配列の中身で決まります。よって配列の中身がない、この段階では配列のアイコンの色は「灰色」になっています。
配列の中に数値制御器を入れます。そのために、フロントパネル上で右クリックし、NumericからNumeric controlを選び(アイコンの上でクリック)ます。
その状態で空の配列の上にマウスポインタを置くと、下図のように枠が黒い破線で囲まれた状態になります。
この状態で再度クリックすると、空の配列の中に数値制御器を入れることができて数値配列となります。ブロックダイアグラムのアイコンの色も、倍精度浮動小数点の橙色になっています。
この状態では、配列の要素が1つしか表示されていないので、より多くの要素が表示されるようにします。配列の端にマウスポインタを置くと、下の図のようになります。
この状態で、ドラッグするとより多くの要素を表示させることができます。
ここで注意する点が1つあります。マウスポインタを上図のように配列の端ではなく、下図のようにもう少し内側の数値制御器の端に置くと、ドラッグすると数値表示器が大きくなるだけになるのでご注意ください。
配列の次元を変えるには、配列の左端の指標番号の枠にマウスポインタを置きます。
この状態でドラッグすると、要素番号が2つ(もしくはそれ以上)にすることができます。これは、2次元(もしくはそれより大きな次元)の配列になっていることを示しています。
実際に、次元を2次元にした状態で配列の枠の下側の端にマウスポインタを置いてドラッグすると、縦横に数値が並んだ2次元配列になっていることを確認できます。
2次元配列の場合、上の指標が「行」、下の指標が「列」を示します。
配列に値を入れる
ここまででデータが入っていない、倍精度浮動小数点の2次元配列ができました。次に、配列に値を入れていきます。
値を入力するためには、値を入れたい要素の場所をダブルクリックして、キーボードから数値を入力します。
配列の左端の指標番号の上下の三角をクリックすると、表示する場所を変えることができますので、配列の全体像をフロントパネルに表示せずとも、見える範囲を変えることで大きいサイズの配列の数値を入力することができます。
上の例では、数値制御器の配列にしましたが、ブーリアンやテキスト、またそれらの制御器と表示器でも同様に作ることができます。またクラスターを配列の中に入れることも可能です。
また配列定数を作る場合は、ブロックダイアグラム上で同様に空の配列を作り、その中に数値やブーリアン、テキスト定数を入れます。
まとめ
このページでは、LabVIEWの配列の使い方について紹介しました。
- 配列は同じ型のデータを複数並べたかたまり
- 配列のサイズ(size)は、配列の中に何個のデータを含んでいるかの情報
- 配列のインデックス(index)は配列内のあるデータが何番目のデータかという情報
- インデックスは0から始まり1ずつ増えていくことに注意
- 配列の次元(dimension)はデータが何次元に並んでいるかという情報
- 空の配列に、配列の中身をどらっぐすることで配列を作成することができる
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